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カビの自由研究を行う前に カビの自由研究を行う前に

「カビについて知りたい」と思う子供たちへ

身近な生物のカビは、小中学生の夏休みの自由研究にはもってこいのテーマです。
「カビについて知りたい」と思う子供たちに、カビ研究の先輩としてアドバイスを送りたいと思います。
安全に正しくカビを扱って、実りある自由研究にしてください。


なるべく胞子を飛ばさないように、十分注意してカビを扱おう

まずは、カビという生物について大まかに知っておきましょう。
カビは普段は「菌糸」という細長い糸のような形をしていますが、自分の分身や子孫を増やす時には「胞子」という植物の種のようなものを作ります。
カビの胞子1個の大きさは大体3~5ミクロン(※)と小さいですが、たくさん集まれば目で見ることができます。
食品に生えた黒や青緑のカビを見たことはありませんか?
その色のついた部分は、実は数千万〜数億個の胞子の集まりです。
小さな胞子は、カビに強く触れたり、カビが生えた物を床に落したりすると、その刺激で飛びちり、しばらく空中に浮かんでいます。
この状態の空中のカビ数は通常の10〜100倍にもなります。
困ったことに、空中のカビ数が増えると、カビが原因のぜんそくや鼻炎などの病気にかかったり、症状が悪化する恐れが増します。
また、胞子が空気の流れに乗って移動することにより、家の中の様々な場所にあらたにカビが発生するかもしれません。
カビの自由研究を行うときは、なるべく胞子を飛ばさないように、十分注意してカビを扱う必要があるのです。

※1ミクロン=1ミリメートルの千分の1

カビの自由研究を行うときの注意点

設備の整った実験室で専門技術を持った人がカビを扱えば、胞子はほとんど飛びちりません。
一方、設備や技術を持たずに行う自由研究では、胞子の飛びちりを完ぺきに防ぐのは難しいと思います。
自由研究では、できるだけ飛びちる胞子の数を減らすことを目標に、家でできる対策を色々組み合わせて行うことが大切です。
下にカビの自由研究を行うときの注意点ををあげましたので、参考にしてください。

1. 健康への影響  本人または家族が、カビが原因のアレルギー性の病気(ぜんそく、鼻炎など)を持っている場合は、症状が悪化する恐れがありますので、 残念ですが家でカビを生やすのはやめた方が良いでしょう。
2. カビの取り扱い  食品などにカビを生やすときは、ふたができるプラスチック容器に入れて、空気の流れやゆれで胞子が飛びちらないようにします。
また、カビが生えた物は静かに取り扱い、むき出しの状態で部屋の中においたり、床に落としたりしないように注意してください。
3. 実験後の後始末  実験後は、カビの生えた物を消毒用アルコールか食酢で湿らせたキッチンペーパーで静かに包み、ビニール袋に入れてしっかり口をしめてから捨てましょう。
実験に使った器具や容器も消毒用アルコールか食酢でふくか、しばらくつけてから洗剤で洗います。
絶対にそのままおきっぱなしにしたり、ゴミ箱に投げ入れてはなりません。

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