試験の概要と目的
空気中に浮遊している微生物(カビ、細菌)の数や種類を調べる試験です。
例えば、下記のような目的のときに実施します。
◆カビが発生した現場において、カビの除去処理を行った前後での状況を確認する
(除去前の現状把握と除去後の効果確認)
◆カビ発生が疑われる箇所について、カビ数などが正常といえる範囲なのかを調べる
◆製品製造現場の空気の清浄度(浮遊カビ数、細菌数)を調べる
試験方法
寒天培地をセットしたエアーサンプラーで対象箇所の空気を100 L吸引し、浮遊微生物を寒天培地に捕集します。
◆原則として、弊社スタッフが出張して行います。出張の場合、最低5箇所から承ります。
◆比較として、1箇所は外気を採取する必要がございます。
◆寒天培地は、採取する対象の微生物に合ったもの(DG18寒天培地)などを適宜選択します。
浮遊微生物を捕集した寒天培地を適当な条件で培養し、形成された微生物のコロニーをカウントする。
コロニー数から、換算表を用いて空気1 m³あたりの生菌数を決定する。
検出された微生物の種類を形態学的(カビ)または遺伝学的方法(細菌、カビ)で調べる。
カビについて同定内容に特に指定がない場合、属レベルまで同定可能なカビの種類と各々の生菌数を報告します。
試験結果から、浮遊微生物の衛生学的評価に関する情報を提供します。
◆浮遊微生物の数が異常ではないか?
◆ある特定の種類が特に多い状態ではないか?
また、微生物発生の状況をお伺いし、除去方法等を含めてアドバイスをさせていただくことも可能です。
参照する文書の例
・日本建築学会環境基準「AIJES-A0002-2013 微生物による室内空気汚染に関する設計・維持管理基準・同解説」
・日本薬局方 無菌医薬品製造区域の環境モニタリング法
試験実施にあたって必要な情報
お問い合わせにあたっては、下記のような情報を頂ければスムーズです。
・調査希望の箇所数(外気を1箇所含む必要あり)
・調査対象の微生物(カビ、細菌)
・調査箇所のおおよその住所
・微生物の種類の特定は必要かどうか。
試験結果の例
各箇所の微生物の数、主な微生物の種類、微生物数の評価などをご報告します。
また、別途お打ち合わせ等で、微生物発生の状況をお伺いし、除去方法等を含めてアドバイスをさせていただくことも可能です。
各箇所の微生物の数、主な微生物の種類
検体名称 | 浮遊カビ数 (CFU/m3) | 主な分離カビとその数 |
箇所A | 230 | Aspergillus versicolor (60), Cladosporium sp. (110), Penicillium sp. (60) |
箇所B | 180 | Aspergillus versicolor (120), Cladosporium sp. (40), Penicillium sp. (20) |
外気 | 80 | Aspergillus versicolor (60), Cladosporium sp. (10), Penicillium sp. (10) |
微生物数の評価
評価基準 | 結 果 |
室内浮遊カビ数(CFU/m3):1,000以下 | 適 合 |
試験期間
サンプリング後2週間程度でご報告書を発行いたします。
*試験内容によって前後しますので、事前にお問い合わせください。
試験費用
測定箇所数、対象の微生物(カビ、細菌)、同定の有無など、調査内容により異なりますので、お問い合わせください。
よくあるご質問の例
サンプリングは来てもらって行うのですか?あるいはサンプリングしたものを送るのですか?
試験をした結果、浮遊カビ数が多いか少ないかは分かりますか?
空中に浮遊している細菌数を調べることもできるのですか?
カビの人体への影響はどのようにして決まりますか?また、人体に影響がないということを報告書に書いてもらえませんか?
微生物を分離・同定して何が分かるのですか?
落下菌の測定はできますか?
カビの発生原因や発生時期、発生地域や国は分かりますか?
不明点ございましたら、お気軽にご連絡下さい。
詳しく知りたい方はこちら:よくあるご質問 > 空中浮遊カビ分析試験