生菌数測定試験

試験の概要

検体に含まれる微生物(細菌、酵母、カビ)の生菌数(検体1 g、1 mL、1個あたりなど)を測定する試験です。
また、細菌数やカビ数を調べた後、検出された菌の同定(種類の特定)を行うことも可能です。

ご依頼例

幅広い目的で、生菌数測定試験をご依頼いただいております。

◆ 日用品や化粧品、医薬品などの製品の生菌数を知りたい(含まれる菌量が一定量以下であることを確かめたい)。
◆ 滅菌の効果測定に使用されるバイオロジカルインジケーター(BI)に含まれる生菌数を測定したい。
◆ 乳酸菌や放線菌などの生菌が含まれる製品の生菌数を測定したい(狙いの菌がどの程度含まれているか調べたい)。また、検出された菌種を同定したい。
◆ 製造ライン上で起きた微生物トラブルの原因調査のため、原料や最終製品の生菌数を調べたい。
◆ 異臭がする異常品と正常品の生菌数を調べた後、異常品から検出された菌の種類を特定したい(生菌数を比較し、臭いの原因を特定するための情報の一つにしたい)。

試験方法

カンテン平板混釈法、カンテン平板塗抹法やメンブレンフィルター法などを用いて、生菌数を測定します。

① 検体の希釈
検体を適当な溶液で希釈し、10倍希釈系列を調製します。
検体によっては適当な溶液で洗い出した後、その洗い出し液を用いて希釈系列を調製します。

② 希釈系列の培養、コロニーカウント、生菌数算出

1. カンテン平板塗抹法
最もよく行われる方法です。適当な寒天培地に①の希釈系列を塗抹し(多くの場合、0.1 mL)、培養した後、寒天培地に形成されたコロニーをカウントし、希釈倍率から検体の生菌数を算出します。

2. カンテン平板混釈法
シャーレに①の希釈系列(多くの場合、1 mL)と適当な寒天培地を流し入れ、よく混合して固化させます。これを培養した後、寒天培地に形成されたコロニーをカウントし、希釈倍率から検体の生菌数を算出します。

3. メンブレンフィルター法
一定量の検体をメンブレンフィルターでろ過した後、メンブレンフィルターを適当な寒天培地の上にのせます。これを培養した後、メンブレンフィルター上に形成されたコロニーをカウントし、希釈倍率から検体の生菌数を算出します。

◆それぞれの方法で、検出限度が変わります。ご依頼が最も多いのはカンテン平板塗抹法です。
◆培養条件(培地、温度、時間、酸素条件)によって、検出される菌も変わり、生菌数も変わります。ご依頼の多い培養条件は下記です。
・総好気性微生物数:30~35℃、SCD寒天培地、好気条件、3~5日間
・総真菌数:20~25℃、SD寒天培地、好気条件、5~7日間

試験実績のある規格

・各薬局方(日本、米国、欧州)「微生物限度試験」
・日本化粧品工業連合会 化粧品微生物限度試験法
・ISO 17516 Cosmetics – Microbiology – Microbiological limits
・ISO 21149 Cosmetics – Microbiology – Enumeration and detection of aerobic mesophilic bacteria
・ISO 16212 Cosmetics – Microbiology – Enumeration of yeast and mould
・ISO 15213 Microbiology of food and animal feeding stuffs – Horizontal method for the enumeration of
sulfite-reducing bacteria growing under anaerobic conditions
など

*その他記載のない規格でも試験可能ですので、お問い合わせください。

お見積りにあたって必要な情報

試験方法がお決まりの場合は、検体数をご教示いただければ、お見積書を作成いたします。

試験方法がお決まりでない場合、試験を検討された目的や背景、ターゲットとする微生物、得られる試験結果のイメージなどをご教示いただけましたら、具体的な試験方法をご提案し、お見積書を発行することが可能です。

試験期間

検体受領後約1~2週間
*試験方法などにより大きく異なりますので、お問い合わせください。

試験費用

1検体あたり約1万円~
*検体の種類、数、試験方法などにより大きく異なりますので、お問い合わせください。

必要な検体量

可能でしたら、25g以上ご用意ください。
*上記が難しい場合、ご用意可能な量をご教示のうえ、ご相談ください。

不明点ございましたら、お気軽にご連絡下さい。