最小発育阻止濃度(MIC)測定試験

目的・概要

抗菌・抗カビ剤が試験菌の発育を阻止する最小の濃度を測定する試験です。例えば、有効な薬剤の選定などに用いられます。
試験方法には大きく分けて、液体培地を用いた方法と寒天培地を用いた方法があります。

なお、MICは試験菌の”発育が認められない”最小の濃度です。試験菌が死滅しているとは限りません。
試験菌を”死滅させる”最小の濃度を測定するMBC試験というものもございます。詳細はこちらをご覧ください。

*MIC試験に関するよくあるご質問はこちらをご覧ください。

試験方法

依頼者指定の最高濃度になるように、検体を液体培地と混合し、調製したものを試験試料とする。液体培地を用いて、試験試料の2倍希釈系列を9段階調製し(合計10段階)、それぞれに試験菌を接種する。培養後、試験菌の発育を肉眼で判定する。試験菌が発育していない最小の濃度をMICとする。対照として、検体を添加していない液体培地でも同様に試験する。

この方法は液体培地を用いた方法の一例です。通常は、こちらを用いますが、培地に混和すると濁ったり、分散しなかったりするような検体など、微量液体希釈法で試験が困難な場合は、寒天培地を用いた方法など適切な方法で試験を実施します。

※ 濃度をご指定いただく必要がございます。詳細はこちらをご覧ください。

試験実績のある規格

・日本化学療法学会「微量液体希釈によるMIC測定法(微量液体希釈法)」
 *最もご依頼の多い試験方法です。
・抗菌製品技術協議会(SIAA)「液体培地希釈法によるMIC測定法」
・抗菌製品技術協議会(SIAA)「寒天平板希釈法によるカビに対するMIC測定法」

*その他の規格・方法でも試験可能ですので、お問い合わせください。

試験菌種例

Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)、Escherichia coli(大腸菌)、Pseudomonas aeruginosa(緑膿菌)、Aspergillus niger(クロコウジカビ)、Penicillium pinophilum(アオカビ)など

*規格文書に記載のある菌種・菌株でも試験可能ですし、その他の菌種・菌株でも試験可能です。弊社で取り扱いのある菌種についてはこちらをご覧ください。

試験実施にあたって必要な情報

お見積りにあたり、可能な範囲で下記のような情報を頂ければ幸いです。

・試験規格や試験方法のご希望(あれば)
・検体の種類数
・検体の性状(液体、粉末など)
・検体の水への可溶性(可溶、不溶など)
・水に不溶な場合、可溶な溶媒(エタノール、DMSO、アセトンなど)と(既知であれば)その溶解度
・試験におけるご希望の最高濃度
・ご希望の菌種名

必要な検体の量

試験条件により異なりますが、10 g[mL] 以上ご提供いただければ、多くの場合で試験可能です。検体の事情により、ご準備が困難な場合は、ご相談ください。

試験結果例

10%5.0%2.5%1.3%0.63%0.31%0.16%0.078%0.039%0.020%MIC[%]
検体A0.63
1.3
1.3

*最高濃度10%の場合の例です。
*多くの場合、n=3で試験を行います。
*試験の特性上、繰り返し試験をすると、MICは多少前後することもございます。
*培養後の培地の画像は原則としてご提供しておりません。詳細はこちらをご覧ください。

試験期間

約2~4週間
*試験菌種、検体の種類、その他の試験の状況によりますので、お問い合わせください。

試験費用

1検体1菌種あたり15,000円~
*試験菌種などにより異なりますので、お問い合わせください。

不明点ございましたら、お気軽にご連絡下さい。