浴室にカビが生える本当の理由

浴室のカビ防止対策といえば換気扇を回す。それだけではダメ?

家の中で一番カビが生えやすい場所は?ときかれたら、多くの人が浴室と答えると思います。
その理由としては「湿度が高いから」というのが一般的な認識でしょう。
しかし、換気扇を回すなどして湿度を下げても、それだけでカビの発生を防ぐことはできません。
なぜでしょうか。

カビ発生の鍵は「水」

その答えを知るには、まずカビが浴室のどこに生えるか思い出してください。
カビは様々な場所に発生しますが、とくに浴槽と壁や床の間を埋めるシリコーン部分、ドアのパッキン部分、窓の周辺、浴槽の蓋、天井などに多くみられます。
これらの場所には水が溜まりやすいという共通点があることから、水の存在がカビ発生の鍵となることが推測されます。
そこで、それを裏付ける実験をしてみました。
浴室によくみられるクロカビ(クラドスポリウム)の胞子を水に均一に混ぜてプラスチック板に噴霧し、気温25℃、湿度97%の条件で1ヶ月間観察したところ、比較的大きな水滴内でのみ菌糸の伸長がみられました(写真)。

このことは、クロカビが発生するには一定量の水が要ること、さらに浴室では溜まった水がカビ発生の直接の原因となり得ることを示しています。

換気扇を回すことで浴室の空中湿度は下がりますが、溜まった水はすぐには乾きません。
そこにカビ対策の落とし穴があったのです。
カビの発生を防ぐためには、浴室に溜まった水を拭き取って、カビの生える場所をなくしてしまいましょう。