保存効力試験(チャレンジテスト)の判定基準

保存効力試験(チャレンジテスト)の試験方法

日本薬局方(JP)、米国薬局方(USP)、欧州薬局方(EP)、中国薬局方(PPRC)、ISO 11930などさまざまな試験方法で試験実績がございます。
その他の試験方法でも試験の受託が可能です。

生菌数測定結果の有意差判断の基準

日本薬局方の保存効力試験では、常用対数値で0.5を超える差を生菌数の有意差の判断基準としています。

各試験方法における試験結果の判定基準

弊社ご報告書の標準的な書式では、生菌数(初発菌数および各測定日の生菌数)のみ記載し、判定の記載を行いませんが、各試験方法に規定されている基準や貴社内の基準に基づき、判定を行うことが可能です。
ご報告書に判定の記載をご希望の場合は、各試験方法に規定されているカテゴリーか貴社内での基準をご教示ください。

ご依頼の多い、日本薬局方とISO 11930の各カテゴリーの判定基準をご紹介します。

日本薬局方 判定基準

<カテゴリーIA>

*注射剤
*水性溶剤に溶解または分散させた無菌の製剤(点眼剤、点耳剤、点鼻剤など)

・細菌→7日後:接種菌数に比べ1.0 log以上の減少、
    14日後:接種菌数に比べ3.0 log以上の減少、
    28日後:14日後の菌数から増加しないこと

・真菌→7日後、14日後、28日後:接種菌数から増加しないこと

<カテゴリーIB>

*水性溶剤に溶解または分散、もしくは水溶性の基材に混和させた非無菌の局所投与製剤(点耳剤、点鼻剤、吸入剤、その他粘膜に使用される製剤等を含む)

・細菌→14日後:接種菌数に比べ2.0 log以上の減少、
    28日後:14日後の菌数から増加しないこと

・真菌→14日後、28日後:接種菌数から増加しないこと

<カテゴリーIC>

*水性溶剤に溶解または分散、もしくは水溶性の基材に混和させた制酸剤以外の経口投与する製剤および口腔内に適用する製剤

・細菌→14日後:接種菌数に比べ1.0 log以上の減少、
    28日後:14日後の菌数から増加しないこと

・真菌→14日後、28日後:接種菌数から増加しないこと

<カテゴリーID、Ⅱ>

*ID:水性溶剤または水溶性の基材で調製した制酸剤
*Ⅱ:非水溶性の基材または溶剤を用いて作られた製剤で、カテゴリーIに記載しているすべての剤形を含む。

・細菌→14日後、28日後:接種菌数から増加しないこと

・真菌→14日後、28日後:接種菌数から増加しないこと

※「菌数から増加しないこと」とは、先の測定値からの増加が0.5 log10(常用対数)以下であることをいう。

ISO 11930 判定基準

<Criteria A>

・細菌→7日後:接種菌数に比べ3 log以上の減少。
    14日後:接種菌数に比べ3 log以上の減少、かつ7日後に比べ増加がないこと。
    28日後:接種菌数に比べ3 log以上の減少、かつ14日後に比べ増加がないこと。

・酵母→7日後:接種菌数に比べ1 log以上の減少。
    14日後:接種菌数に比べ1 log以上の減少、かつ7日後に比べ増加がないこと。
    28日後:接種菌数に比べ1 log以上の減少、かつ14日後に比べ増加がないこと。

・カビ→14日後:接種菌数から増加がないこと。
    28日後:接種菌数に比べ1 log以上の減少、かつ14日後に比べ増加がないこと。

<Criteria B>

・細菌→14日後:接種菌数に比べ3 log以上の減少。
    28日後:接種菌数に比べ3 log以上の減少、かつ14日後に比べ増加がないこと。

・酵母→14日後:接種菌数に比べ1 log以上の減少。
    28日後:接種菌数に比べ1 log以上の減少、かつ14日後に比べ増加がないこと。

・カビ→14日後:接種菌数から増加がないこと。
    28日後:接種菌数から増加がなく、かつ14日後に比べ増加がないこと。

※保存効力試験に関するよくあるご質問はこちら

不明点ございましたら、お気軽にご連絡下さい。