カビQ&A

カビQ&A

Q1.カビの発生条件は?

空気中に浮遊しているカビの胞子は室内の表面に付着し、温度が5℃~35℃前後であれば、付着した表面の栄養と水分を利用して発育します。

Q2.なぜ室内にカビが発生するの?

 1)室内の空気1m³中には、いつも数個から数千個カビの胞子が浮遊しています。
2)カビは現在使用されているほとんどの建材を栄養にすることができます。
さらに建材の表面に埃や汚れなどがあるとカビの発育が促進されます。
3)一般住宅の一年間の室内平均温度は10℃~30℃です。
4)空気中にはいつも一定量の湿度があります。
よって、カビは室内に一年中発生が可能です。

Q3.室内のどんなところにカビが生えやすいの?

カビが生えるためには温度、湿度、栄養などが必要です。水や埃がたまりやすいところ、手が届かない場所、あまり使用せず押入れにしまってあるものなどにカビが生えやすいです。

Q4.カビは湿度が高いところのみで生える?

一般的にカビは湿度が高いところのみで生えると思われていますが、実は他の微生物が生えないくらい湿度が低いところでも生えるカビがあります。カビの発育可能とする最低湿度を基準にし、好湿性カビ、耐乾性カビ、好乾性カビなどに分類することができます。

Q5.カビの発生と室内湿度

一般住宅の一年間の平均湿度は浴室以外の部屋の場合、30~80%程度です。 カビが発育するためには、80%以上の湿度が必要なので、浴室のように湿度が80%以上になる場所以外ではカビが発生しないはずです。なのに・・・。
理由として、室内湿度というのは、室内空気中の水蒸気の量ですが、カビが使うのは空気中の水蒸気ではなく、表面の水分だからです。

Q6.室内空気中のカビの数や種類は?

室内空気1m³には、カビが数個から数千個浮遊しています。残念ながら室内カビ数の衛生基準はありませんが、一般的に、100個以下は少ない、1000個以上であれば多いといえます。主なカビはコウジカビ、アオカビ、クロカビ、ススカビなどです。

Q7.室内の埃(ハウスダスト)のカビの数や種類は?

埃1g当たり10万から100万個のカビが検出されます。主なカビはコウジカビ、アオカビ、クロカビなどです。

Q8.カビ発生原因別対策

【結露が原因であった場合(冷たい壁面や窓)】
1)結露を拭き取ります。
2)通気性をよくします。
3)除湿度をします。
4)部屋と結露面の温度差を減らします(例として断熱処理等)。

【大量の水蒸気が原因の場合(浴室など)】
1)発生した水蒸気を外に出します。
2)壁面の水滴を拭き取ります。

【表面の汚れが原因の場合】
家庭用洗剤などで汚れを取ります。

Q9.カビ発生部の対策

【壁面、窓などの一部にカビが発生した場合】
漂白剤やカビ用消毒剤などを用意します

スポンジやモップ、スプレイで薬剤を発生部にかけます(胞子を飛ばさないように注意します)

数分間放置します

拭き取るか水で流します

よく乾燥させます

【広い範囲でカビが発生した場合】
発生原因と対策について専門家と相談し、速やかな対策を取る必要があります。
お風呂などに使用されているシリコンシーラント(パッキング、浴室のゴム状の目地)に
栄養がある場合とない場合、クロカビの発育に大きな差があるので写真をご覧ください。
シリコンシーラントのクロカビ

Q10.カビが生えた食品を食べると必ず病気になる?

カビの中には発ガン性や腎臓、神経などに対して毒になる物質をつくる種類がありますので、カビが生えたものは食べない方が良いと思います。しかし、すべてのカビが毒をつくりだすわけではないので、必ず病気なるとはいえません。

Q11.CFUとは?

Colony Forming Unit(集落形成単位)の略です。1mlまたは1gの試料から50個の集落が検出された場合、50CFU/ml または50CFU/gと表示します。

Q12.一般細菌(生菌)とは?

一般細菌(生菌)というのは、標準寒天培地を用いて35℃、24時間または48時間培養後に発育する中温性好気性細菌のことです。嫌気性細菌や低温性細菌などは含まれていません。