微生物を数える方法は?
食品でカビや細菌などの微生物が増殖すると、腐敗や食中毒など様々な衛生上の問題が生じる恐れがあります。
そのためわが国では食品衛生法のもと、食品別に微生物の基準値が定められています。
例えば、牛乳における微生物の基準は 1mL当たり5万個以下 とされていて、それを超える商品は販売できません。
このように、微生物の数は私たちの生活と深い関わりがあります。
微生物の数え方①:顕微鏡で直接見て数える方法
微小な微生物の数を調べるには、大きく二つの方法があります。
一つは、顕微鏡で直接見て数える方法です。
生死にかかわらず見えたもの全て数えるため、この方法で得られる数を”総菌数”といいます。
微生物の数え方②:培養して数える方法
もう一つは培養して数える方法です。
食品中に細菌が数個存在しても見えませんが、寒天培地の表面に食品を塗っておくと、細菌は分裂、増殖してそれぞれ数億個の菌の塊(集落)を作り、目でみて数えられるようになります。
この方法で得られるのは、生きて増殖できる微生物の数なので”生菌数”といいます。
牛乳の規格基準は生菌数の値です。
なお、複数の菌がくっついた状態で増殖すると別々の集落にならないことがあり、必ずしも集落数=生菌数とは言い切れません。
そのため、この方法で数えた菌数にはCFU (Colony Forming Unit、集落形成単位)という独特の単位を用います。