概要
AATCC(米国繊維科学技術・染色技術協会)の試験規格です。
抗菌加工した繊維製品の菌の増殖抑制効果を定量的に調べます。
AATCCの他の規格(TM147など)についてもご相談ください。
試験方法
0.05%ポリソルベート80水溶液で20倍に希釈したトリプトソーヤブイヨンまたはニュートリエント培地を用いて調製します。試験目的により、この栄養条件を変更することも可能です。
検体(抗菌加工試験片・無加工試験片)を直径4.8±0.1 cmの円形か、一辺3.8±0.1 cmの正方形に切り取り、全部で1.0±0.1 gとなるよう重ねます。
*試験文書に試験繰り返し回数は規定されておりませんが、1検体あたり1.0±0.1 gとなるよう重ねたものを3点用意し、同時に試験を行います。試験繰り返し回数の希望がありましたら、お申し付けください。
検体に1.0±0.1 mLの試験菌液を接種し、滅菌した密閉容器に入れた後、37±2℃で24時間培養します。
接種直後および培養24時間後に、検体をSCDLP液体培地100 mLで洗い出し、洗い出し液の10倍希釈系列を精製水で調製します。これを普通寒天培地に接種(n=2)した後、37±2℃で24〜48時間培養して、コロニーをカウントします。
規定に基づき、Percent Reduction (R)を算出します。
試験菌種
・Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)NBRC 13276
・Klebsiella pneumoniae(肺炎桿菌)NBRC 13277
※ 試験目的により、菌種を規定から変更することも可能です。
検体の必要量
最低必要量:抗菌加工試験片・無加工試験片とも12.0 g以上(1菌種あたり6.0 g以上)
*可能でしたら、予備を含め、最低必要枚数の2倍量以上ご提供いただければ幸いです。
試験実施にあたって必要な情報
お見積りにあたっては、下記のような情報を頂ければスムーズです。
・検体の種類数
・無加工試験片に該当する検体の準備の有無
・要求される成果物※(和文報告書以外にあれば)
・試験菌種(規定と異なる菌種で実施したい場合)
・試験片の作製方法(液体やウェットワイプなどで処理をした試験片を用いて試験したい場合)
※特にご要望がなければ、和文のご報告書(試験方法・試験結果(試験成立条件の判定結果、生菌数、Percent Reduction)を記載、画像なし)のみとなります。
納期
3週間~
*詳しくはお問い合わせください。
費用
その他試験方法のご案内
弊社では、さまざまな試験方法で試験を受託しております。
*弊社で受託している主な抗菌性試験・抗カビ性試験の一覧
以下に挙げた以外にも試験実施が可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
調べる内容 | 試験名 | 主な検体 性状 |
---|---|---|
検体と菌の接触 による除菌効果 (直接) | ・液剤の除菌試験(試験菌懸濁法) | 液体 |
検体と菌の接触 による除菌効果 (担体を介して) | ・住宅用合成洗剤及び石けんの除菌活性試験方法 ・スポンジに対する台所用合成洗剤及び石けんの 除菌活性試験方法 ・液剤の除菌試験(硬質表面キャリア法) | 液体 |
物理的処理 による除菌効果 | ・ウェットワイパー類の除菌性能試験方法 | ウェットワイプ |
検体による菌の 増殖・発育抑制 効果(定量) | ・抗菌試験(JIS Z 2801) | 平板状の 試験片 |
・シェーク法 | 特殊な形状の 試験片 | |
・抗菌試験(JIS L 1902(菌液吸収法)) ・JIS L 1921(繊維製品の抗かび性試験方法) ・AATCC TM100(繊維材料の抗菌加工に関する試験方法) | 吸水性のある 試験片 | |
・吸水性樹脂抗菌性能試験方法 (日本衛生材料工業連合会・吸水性樹脂工業会) | 吸水性樹脂 試験片 | |
・JIS R 1702(光触媒の抗菌試験) ・JIS R 1705(光触媒の抗かび試験) | 光触媒加工した 試験片 | |
・JIS K 6400-9(軟質発泡材料の抗菌試験) | スポンジ製品等 | |
・バイオフィルム測定法 | 試験片、液体など | |
検体による菌の 増殖・発育抑制 効果(定性) | ・ハロー法 | 液体、繊維片 など |
・カビ抵抗性試験 | さまざまな性状 の検体 | |
検体処理による 除菌効果 | ・除菌試験(UV照射) | 紫外線照射装置 |
・除菌試験(モップ・ロボット掃除機) | モップ、 ロボット掃除機など |