シェーク法

概要

シェーク法は、検体が平滑でない特殊な形状または小物の場合に適した抗菌試験の方法です。

平板状の試験片(5 cm×5 cmなど)が作製できるような検体の場合は、JIS Z 2801などを用い、原則としてシェーク法は用いません。また、布や紙など繊維状の検体の場合、JIS L 1902などを用います。

※シェーク法に関するよくあるご質問はこちら。

本ページでは、抗菌製品技術協議会(SIAA)の試験法をもとに、試験方法・条件や試験菌種、必要な検体などをご紹介しますが、その他の方法・条件でも試験可能です。お問い合わせください。

試験方法

検体の準備

抗菌加工試験片、無加工試験片をそれぞれ3セット(「検体の必要量」参照)準備します。

試験菌液の調製

規定では、1/500ニュートリエント培地を用いて調製します。試験目的により、この栄養条件を変更することもあります

検体への試験菌液の接種、培養

・検体に試験菌液を32±5 cm2あたり10 mL接種し、振とう培養します。

 ※ 35±1℃、150±10 rpm、24時間・試験菌液のみの場合を対照区として、同様に培養します。

生菌数測定、評価

・培養後、試験菌液の生菌数を測定します。

・抗菌加工試験片、無加工試験片それぞれに接種して培養した試験菌液の生菌数を比較し、抗菌効果を評価します。

試験菌種

Staphylococcus aureus NBRC 12732(黄色ブドウ球菌)
Escherichia coli NBRC 3972(大腸菌)

*試験目的により、菌種を規定から変更することも可能です。

検体の必要量

〇サイズ
※1のように加工

〇最低必要量
  ・抗菌加工試験片:1菌種あたり3セット(2菌種合計6セット)
  ・無加工試験片※2:1菌種あたり3セット(2菌種合計6セット)

*可能でしたら、予備を含めて最低必要量の1.5〜2倍程度ご準備ください。

※1 製品を全表面積の合計が32±5 cm2になるように切断、または複数個準備したものを1セットとします。形状が複雑な場合でも、何らかの方法で表面積を算出します。表面積は、製品のもともとの表面(固有表面)の表面積を指し、切断等により新しくできた表面(新表面)は除きます。新表面は固有表面の10%以下となるようにします。ただし、新表面にも抗菌加工がされている場合は、新表面も除きません。

※2 製品と同じもので、抗菌加工がされていないものを指します。ご準備ができない場合は、その旨ご教示ください。試験菌液のみを接種した系(対照区)を代わりとします。

試験実績のある方法

抗菌製品技術協議会(SIAA) 試験法 (2)試験法Ⅱ シェーク法
*最もご依頼の多い試験方法です。

試験実施にあたって必要な情報

お見積りにあたっては、下記のような情報を頂ければスムーズです。

・検体の種類数
・無加工試験片に該当する検体の準備の有無
・要求される成果物(和文報告書以外にあれば)
・試験菌種(規定と異なる菌種で実施したい場合)
・変更したい試験条件(あれば)

※ 特にご要望がなければ、和文のご報告書(試験方法・試験結果(試験成立条件の判定結果、生菌数、抗菌活性値)を記載、画像なし)のみとなります。

納期

2週間~
*詳しくはお問い合わせください。

費用

お問い合わせください。

その他試験方法のご案内

弊社では、さまざまな試験方法で試験を受託しております。
弊社で受託している主な抗菌性試験・抗カビ性試験の一覧
以下に挙げた以外にも試験実施が可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

調べる内容試験名主な検体
性状
検体と菌の接触
による除菌効果
(直接)
液剤の除菌試験(試験菌懸濁法)液体
検体と菌の接触
による除菌効果
(担体を介して)
住宅用合成洗剤及び石けんの除菌活性試験方法
スポンジに対する台所用合成洗剤及び石けんの
除菌活性試験方法
液剤の除菌試験(硬質表面キャリア法)
液体
物理的処理
による除菌効果
ウェットワイパー類の除菌性能試験方法ウェットワイプ
検体による菌の
増殖・発育抑制
効果(定量)
抗菌試験(JIS Z 2801)平板状の
試験片
シェーク法特殊な形状の
試験片
抗菌試験(JIS L 1902(菌液吸収法))
JIS L 1921(繊維製品の抗かび性試験方法)
AATCC TM100(繊維材料の抗菌加工に関する試験方法)
吸水性のある
試験片
・吸水性樹脂抗菌性能試験方法
(日本衛生材料工業連合会・吸水性樹脂工業会)
吸水性樹脂
試験片
JIS R 1702(光触媒の抗菌試験)
JIS R 1705(光触媒の抗かび試験)
光触媒加工した
試験片
JIS K 6400-9(軟質発泡材料の抗菌試験)スポンジ製品等
検体による菌の
増殖・発育抑制
効果(定性)
ハロー法液体、繊維片
など
カビ抵抗性試験さまざまな性状
の検体
検体処理による
除菌効果
除菌試験(UV照射)紫外線照射装置
除菌試験(モップ・ロボット掃除機)モップ、
ロボット掃除機など

不明点ございましたら、お気軽にご連絡下さい。