概要
一般社団法人 日本衛生材料工業連合会のウェットワイパー類の除菌性能試験方法です。
ウェットワイプを用いて、菌液を接種した試験担体を所定の方法で拭き取り、試験片上の生菌数を調べます。
菌液にはモデル汚れ物質として、牛血清アルブミンを添加します。
試験方法
下記のとおり準備します。
・試験試料:検体(ウェットワイプ)そのもの。液体を綿布に含浸させたものを作製して使用することも可能です。
・対照試料:綿布(綿3-1号、15 cm×10 cm)を1.5倍量のリン酸緩衝液に含浸させたもの。
試験菌液(普通ブイヨン培地で1.0〜5.0×109 CFU/mLに調製したものを牛血清アルブミン水溶液(モデル汚れ)と等量混合)を試験担体(ステンレス片)に塗布します。
150 gのおもりに試料1枚を装着し、専用の拭き取り装置に設置した試験担体に密着させた後、試験担体上を120回/分の間隔で5往復します。
試験担体を洗い出し、生菌数を測定します。
試験試料、対照試料それぞれで拭き取った後の試験担体の残存生菌数の常用対数値を比較し、除菌活性値を算出します。
試験菌種
・Staphylococcus aureus NBRC 12732(黄色ブドウ球菌)
・Escherichia coli NBRC 3972(大腸菌)
試験目的によって試験菌種や菌液の栄養条件を規定から変更して実施することもございます。
検体の必要量
〇サイズ
特に制限なし
〇必要枚数
予備を含めて30枚以上(最終製品の場合、未開封品が望ましい。)
試験実施にあたって必要な情報
お見積りにあたっては、下記のような情報を頂ければスムーズです。
・検体の種類数
・要求される成果物※1(和文報告書以外にあれば)
・試験菌種(規定と異なる菌種で実施したい場合)
・拭き取り条件※2(特別な要求がある場合)
※1 特にご要望がなければ、和文のご報告書(試験方法・試験結果(試験成立条件の判定結果、培養後の生菌数、除菌活性値)を記載、画像なし)のみとなります。
※2 規定と異なる拭き取り方で実施したい(例:拭き取り回数や速度)、複数枚重ねて拭き取りを実施したい、決まった枚数を除いて使用してほしい、拭き取りの方向に指定がある、液剤を布に含浸して試験に用いたい、など。
納期
3週間~
*詳しくはお問い合わせください。
費用
その他試験方法のご案内
弊社では、さまざまな試験方法で試験を受託しております。
*弊社で受託している主な抗菌性試験・抗カビ性試験の一覧
以下に挙げた以外にも試験実施が可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
調べる内容 | 試験名 | 主な検体 性状 |
---|---|---|
検体と菌の接触 による除菌効果 (直接) | ・液剤の除菌試験(試験菌懸濁法) | 液体 |
検体と菌の接触 による除菌効果 (担体を介して) | ・住宅用合成洗剤及び石けんの除菌活性試験方法 ・スポンジに対する台所用合成洗剤及び石けんの 除菌活性試験方法 ・液剤の除菌試験(硬質表面キャリア法) | 液体 |
物理的処理 による除菌効果 | ・ウェットワイパー類の除菌性能試験方法 | ウェットワイプ |
検体による菌の 増殖・発育抑制 効果(定量) | ・抗菌試験(JIS Z 2801) | 平板状の 試験片 |
・シェーク法 | 特殊な形状の 試験片 | |
・抗菌試験(JIS L 1902(菌液吸収法)) ・JIS L 1921(繊維製品の抗かび性試験方法) ・AATCC TM100(繊維材料の抗菌加工に関する試験方法) | 吸水性のある 試験片 | |
・吸水性樹脂抗菌性能試験方法 (日本衛生材料工業連合会・吸水性樹脂工業会) | 吸水性樹脂 試験片 | |
・JIS R 1702(光触媒の抗菌試験) ・JIS R 1705(光触媒の抗かび試験) | 光触媒加工した 試験片 | |
・JIS K 6400-9(軟質発泡材料の抗菌試験) | スポンジ製品等 | |
・バイオフィルム測定法 | 試験片、液体など | |
検体による菌の 増殖・発育抑制 効果(定性) | ・ハロー法 | 液体、繊維片 など |
・カビ抵抗性試験 | さまざまな性状 の検体 | |
検体処理による 除菌効果 | ・除菌試験(UV照射) | 紫外線照射装置 |
・除菌試験(モップ・ロボット掃除機) | モップ、 ロボット掃除機など |