試験の概要・目的
洗濯工程を再現し、除菌効果を評価する試験です。
◆下記のような目的に適しています。
・洗剤や薬剤などの除菌・抗菌・抗カビ効果を確認する
・洗濯機により一定条件で洗濯したときの除菌・抗菌・抗カビ性能を確認する
・ナノバブル水やウルトラファインバブル水などによる物理的な除菌効果を確認する
◆下記のような試験方法もよく用いられます。
・試験菌懸濁法|検体(液体・粉末など)に菌が直接接触したときの、菌の死滅度合いを調べる試験
・硬質表面キャリア法|試験片上で菌と検体が接触したときの、菌の死滅度合いを調べる試験
・JIS L 1902(繊維製品の抗菌性試験)|繊維など吸水性のある試験片上で、菌の増殖がどの程度抑えられるかを調べる試験
・トイレなどの除菌・抗菌・抗カビ試験|【例】便器内にカビを付着させ、ある操作をしたときにカビがどの程度発育するかを観察する試験など
適切な試験方法に迷われる場合は、お気軽にご相談ください。
試験方法
① 試験菌液の調製
微生物(細菌、酵母、カビ)を培養し、適当な溶液に懸濁させて試験菌液を調製します。
② 試験片への試験菌液の接種
試験片(綿布、ステンレス片、タオル片など)に試験菌液を噴霧・滴下などにより接種します。
③ 試験片の処理
【例】
・小型洗濯機を使用し、協議した条件で試験片を洗濯する。
・洗剤などを入れたビーカーに試験片を入れ、一定の回転数・時間・温度で攪拌する。必要に応じて精製水ですすぎも行う。
・洗剤などを入れたビーカーに試験片を入れ、漬け置きする。
④ 評価
処理前後の試験片について、生菌数やATP量を測定します。
必要に応じて対照を設定し、比較します。
試験菌種
下記の菌種のご依頼が多いです。
Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)
Escherichia coli(大腸菌)
Moraxella osloensis(モラクセラ菌)
Rhodotorula glutinis(ロドトルラ、赤色酵母)
Cladosporium sphaerospermum(クロカビ)
Aureobasidium pullulans(黒色酵母)
Exophiala sp.
その他の菌種でもご対応可能ですので、ご相談ください。
菌種に迷われる場合は、ご相談ください。
検体例
洗剤など、洗濯時に入れる何らかの薬剤の効果を調べることもあれば、ウルトラファインバブル(UFB)ユニットのように、何らかの装置に取り付ける器具の効果を調べることもあります。また、洗濯機自体での洗濯による除菌効果や洗濯槽に対する除菌効果を調べることもあります。そのため、検体は多種多様です。
【検体例】
・洗剤、抗菌剤、柔軟剤
・洗濯機本体
・ナノバブル生成器、UFBユニット
・洗剤などに使用する添加物
・洗濯槽
*洗濯機のような大型機器の場合、お貸しいただいて試験をすることも可能ですし、ご訪問して試験することも可能です。
検体の必要量、試験の費用と期間
検体の種類や試験内容・条件により大きく異なりますので、お気軽にご相談ください。
試験実施にあたって必要な情報
お見積書作成や試験実施をスムーズに行うため、可能な範囲で下記の情報をご提供ください。
・検体の種類とその数(洗剤、洗濯機など)
・試験条件(洗剤の濃度、洗濯機の運転モード、温度など)
・試験片の処理方法(洗浄、漬け置きなど)
・要求される成果物(和文報告書以外のご希望がある場合※)
・試験菌種
※標準の試験報告書には、主に下記の内容が含まれます。
・試験方法
・試験結果
*特別なご要望がない限り、画像なしの和文報告書をご提供いたします。
その他の抗菌抗カビ試験
弊社では、さまざまな試験方法で試験を受託しております。
*弊社で受託している主な抗菌性試験・抗カビ性試験の一覧
以下に挙げた以外にも試験実施が可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
調べる内容 | 試験名 | 主な検体 性状 |
---|---|---|
検体と菌の接触 による除菌効果 (直接) | ・液剤の除菌試験(試験菌懸濁法) | 液体 |
検体と菌の接触 による除菌効果 (担体を介して) | ・住宅用合成洗剤及び石けんの除菌活性試験方法 ・スポンジに対する台所用合成洗剤及び石けんの 除菌活性試験方法 ・液剤の除菌試験(硬質表面キャリア法) | 液体 |
物理的処理 による除菌効果 | ・ウェットワイパー類の除菌性能試験方法 | ウェットワイプ |
検体による菌の 増殖・発育抑制 効果(定量) | ・抗菌試験(JIS Z 2801) ・繰返し除菌性試験(JIS Z 2811) | 平板状の 試験片 |
・シェーク法 | 特殊な形状の 試験片 | |
・抗菌試験(JIS L 1902(菌液吸収法)) ・JIS L 1921(繊維製品の抗かび性試験方法) ・SEKマーク繊維製品認証基準(JEC301) ・AATCC TM100(繊維材料の抗菌加工に関する試験方法) | 吸水性のある 試験片 | |
・吸水性樹脂抗菌性能試験方法 (日本衛生材料工業連合会・吸水性樹脂工業会) | 吸水性樹脂 試験片 | |
・JIS R 1702(光触媒の抗菌試験) ・JIS R 1705(光触媒の抗かび試験) | 光触媒加工した 試験片 | |
・JIS K 6400-9(軟質発泡材料の抗菌試験) | スポンジ製品等 | |
・バイオフィルム測定法 | 試験片、液体など | |
・置き型・貼付型の検体の除菌試験 | 置き型・貼付型の検体 | |
検体による菌の 増殖・発育抑制 効果(定性) | ・ハロー法 | 液体、繊維片 など |
・カビ抵抗性試験 | さまざまな性状 の検体 | |
検体処理による 除菌効果 | ・除菌試験(UV照射) | 紫外線照射装置 |
・除菌試験(モップ・ロボット掃除機) | モップ、 ロボット掃除機など | |
検体処理による 漂白効果 | ・カビ除去試験 | 塩素系カビ取り剤 |
検体処理による 除菌効果 | ・ろ過性能確認試験 | フィルター、浄水器など |
・洗濯に関連する除菌・抗菌・抗カビ試験 | 洗濯機、洗剤など |