口腔内製品としてどのような効果を期待するかによって試験菌の選択が異なります。口腔内製品としてどの菌種が試験菌として妥当であるかは一概に決めることができず、期待する効果の想定が必要です。 よく試験に用いられる菌種例は下記のとおりです。
【う蝕や歯周病に関連する細菌】
Streptococcus mutans(ミュータンス菌)、 Aggregatibacter actinomycetemcomitans(Actinobacillus actinomycetemcomitans)、 Porphyromonas gingivalis(ジンジバリス菌) 、Prevotella intermedia
※P. gingivalisは培養が不安定であり、試験を実施しても結果を正しく得られない可能性があります。
【口腔カンジダ症に関連する酵母】
Candida albicans 、Candida glabrata
【その他口腔内細菌】
Actinomyces spp.、Cutibacterium(Propionibacterium) acnes
口腔内製品に限らずどのような製品であれ、ターゲットが明確でない場合は、Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)やEscherichia coli(大腸菌)、Candida albicansなどの菌種で試験し、基礎的な除菌・抗菌力のデータとすることが多いと考えられます。
口腔内の臭いの原因菌については、これといった菌種がございません。菌種によらず、増殖すれば臭いの原因にはなりますので、口腔内から分離される菌種として知られているStreptococcus mutansやPorphyromonas gingivalisあたりがよく選択されます。