どちらも抗カビ性を調べる試験ですが、下記のように異なります。
●JIS L 1921
・概要:JIS Z 2911に比べて短時間でのカビに対する影響を調べる。定量的。
・検体:繊維製品(その他製品で適用するには、試験方法をアレンジする必要がある)
・試験方法:検体へ試験菌を接種し、42時間後のATP量を測定する。
(JIS Z 2911に比べると短時間で、カビの増殖抑制、または一定量死滅させる力を調べる)
●JIS Z 2911
・概要:カビが生育できる期間を取って、実際にカビが生えるかどうかを調べる。定性的。
・検体:繊維、木材、ガラス、プラスチック、皮革、電子製品等
・試験方法:検体へ試験菌を接種し、培養4週間(*検体の種類により多少異なる)のカビの発育度合いを肉眼および顕微鏡で観察する。
(カビの発育可能な培養期間を取り、実際に発育したかどうかを観察して調べる)
試験方法の選択ですが、検体の種類、試験菌、試験目的、試験データを求められている提供元の要求等によって決定いただくことが望ましいかと存じます。
JIS L 1921の結果とJIS Z 2911の結果に相関性はなく、例えば、JIS L 1921での結果で抗カビ性が確認できれば、JIS Z 2911の結果でも抗カビ性が確認できるとはいえません。