結論
原則的には、両方準備して結果を比較する必要があります。無加工試験片が準備できない場合は、規定の代用品を使用することもできますが、試験結果の解釈には注意が必要です。
前提:原則は両方準備して比較
何らかの基材に抗菌加工を施し、抗菌加工を施した場合と施していない場合の抗菌効果の差を調べる場合、抗菌加工試験片※1と無加工試験片※2の両方の試験を、同じ条件で同時に行い、結果を比較する必要がございます※3。
※1 抗菌加工試験片:抗菌加工を施した基材
※2 無加工試験片:抗菌加工試験片と同様の基材で、抗菌加工を施していないもの
※3 例えば、抗菌効果(対照との菌増殖度合いの差)を調べるのによく用いられるJIS Z 2801やJIS L 1902に規定がございます。
無加工試験片が準備できない場合の規定
無加工試験片が準備できない場合の規定もございます。JIS Z 2801やJIS L 1902の場合、下記の通りです。
・JIS Z 2801:抗菌性のないポリエチレンフィルムで代用する
・JIS L 1902:抗菌加工がされていない綿布で代用する
上記のポリエチレンフィルムや綿布は、弊社で準備が可能です。
JIS Z 2801やJIS L 1902以外の場合も、協議のうえで代用品を設定し、試験を行います。
試験結果の解釈の注意点
「抗菌加工試験片と無加工試験片の結果を比較する場合」と「抗菌加工試験片と代用品の結果を比較する場合」では、試験結果の解釈が異なりますので、ご注意ください。
・抗菌加工試験片と無加工試験片の結果を比較:抗菌加工・無加工の差の比較が可能。
・抗菌加工試験片と代用品の結果を比較:抗菌加工・無加工の差の比較にはならない。単に、適当な対照との比較となる。