JIS R 1702はどのような試験手順ですか?

「JIS R 1702 ファインセラミックス―光触媒抗菌加工材料の抗菌性試験方法及び抗菌効果」の試験手順は下記のとおりです。

【試験方法】
フィルム密着法とガラス密着法の2種類の方法があります。
フィルム密着法は平板状材料、ガラス密着法は繊維状材料に適用します。

  1. フィルム密着法
    滅菌水で濡らした調湿用ろ紙を置いたシャーレにガラス棒を置き、その上に試験片を置く。試験片の光触媒抗菌加工した面に試験菌液(1/500ニュートリエント培地を用いて調製、105~106 CFU/mL)を0.15 mL接種し、ポリエチレンフィルム(表面積 800 mm2~1600 mm2)を被せ、ガラスでシャーレにふたをする。
  2. ガラス密着法
    滅菌水で濡らした調湿用ろ紙を置いたシャーレにガラス棒を置き、その上にガラス板(55~66 mm角)を置く。試験片の光触媒抗菌加工した面に試験菌液(1/20ニュートリエント培地を用いて調製、104~105 CFU/mL)を0.2 mL接種し、ガラス板(50±2 mm角)を被せ、ガラスでシャーレにふたをする。
  3. フィルム密着法・ガラス密着法共通
    30分以上予備点灯した紫外線照射装置を用い、試験片に依頼者指定の照度(0.25 mW/cm2未満)で光が当たるようにシャーレと照射装置の位置を調整する。25±3℃で8時間光照射するか、8時間暗所に保存する。試験菌液接種直後、8時間光照射後、8時間暗所保存後の試験片をそれぞれ洗い出し、生菌数を測定する。(生菌数の測定はそれぞれの条件あたり3枚の試験片を用いて行う。)

*光触媒抗菌加工材料の用いられる場所の実情を考慮して、光照射時間を4時間を下限として短くしてもよい。

【試験菌種
・フィルム密着法:Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)NBRC 12732、
        Escherichia coli(大腸菌)NBRC 3972
・ガラス密着法:Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)NBRC 12732、
       Klebsiella pneumoniae(肺炎桿菌)NBRC 13277
*試験目的によって試験菌液・試験菌種を規定から変更して実施することもあります。

【検体(試験片)の必要寸法と必要量】
・サイズ:50±2 mm角(厚さ10 mm 以内)
・最低必要枚数:光触媒抗菌加工試験片 1菌種あたり6枚以上(2菌種合計12枚以上)、
         無加工試験片** 1菌種あたり9枚以上(2菌種合計18枚以上)
*可能でしたら、予備も含め最低必要枚数の2倍量程度ご提供ください。
**無加工試験片が準備できないようでしたら、フィルム密着法の場合はガラス板、ガラス密着法の場合は綿布を弊社で準備して使用することも可能です。(加工有無の効果の比較ではなく、適当な対照との比較となってしまいますので、あらかじめご了承ください。)

【ご指定いただく必要のある条件】
光照射の照度、照射時間

【検体の清浄化について】
ご希望がございましたら、試験前に検体の清浄化(殺菌処理)を行ってから試験を行います。(70%エタノールでの清拭、紫外線照射、高圧蒸気滅菌など)