MIC試験で多くのご依頼を頂くのは、日本化学療法学会の試験法です。この試験法では、検体をある最高濃度から2倍、4倍、・・・、512倍と希釈していきます※1(2倍希釈系列を合計10段階、液体培地を用いて調製)。その後、各濃度での試験菌の発育有無を評価し、MICを判定します。
※1
【例】 3%が最高濃度の場合、3%、1.5%、0.75%、・・・、0.0059%の10段階
したがって、検体の効力をある程度予測し※2(弊社では予測する術がございません)、試験時の最高濃度を決めていただく必要がございます。
最高濃度の設定は、検体が液体の場合、その原液の10%以下から可能です。検体が固体の場合、検体を溶解させた液の10%以下から可能です。
※2
検体の効力の予測が全くつかない場合でも、任意の最高濃度をご指定いただく必要がございます。
類似の物質のMICの文献値があるようでしたら、その値を参考にご指定いただいても構いません。
文献値もないようでしたら、とりあえず最高濃度を10%としていただいても、「10%, 5.0%, 2.5%, …, 0.020%」と、比較的幅広い濃度における菌の発育を確認することが可能です(10%でも菌が発育する場合、MICは10%より大きく、0.020%でも菌が発育しない場合、MICは0.020%未満という結果にはなってしまいます)。
なお、原則には反しますが、10%を超えた最高濃度で試験実施してみることは可能です。
ただし、下記の点について事前にご了承ください。
・場合によっては試験が成立せず(対照(検体を含まない条件)での発育が良好ではない)、高い濃度での試験結果を判定できない可能性があります。
・原則には反しておりますので、第三者への試験結果の開示時などに、試験方法の妥当性を指摘される可能性がございます。
・上記の原則をご理解いただいたうえで試験をするとしても、100%という設定はできかねます。試験菌の発育には必ず培地が必要であり、試験時には液体培地と検体を混合する操作があるためです。